前職は建築系の会社の営業職として働いていました。新築とリフォームの2部署があり、私はリフォームの部署で働いていました。建築会社の営業は工事の監督も兼ねるためにとても激務で、当初私が抱いていたお客様の近くに寄り添って仕事がしたいという希望とはかけ離れた労働環境でした。

休みも少なく、会社が休みであっても工事は進んでいるために現場に行かなくてはならず、実質休日がないような状況でした。心身に限界が近づいていたのと、希望の仕事を探すために転職活動を行い、乳製品を扱っている会社の営業職として働くことになりました。いわゆる飛込営業がメインの仕事ですが、お客様とより近くで働くことが出来ているので非常に満足しています。

現在は乳製品の会社にお世話になっているのですが、その前に違う会社の面接を受けました。同じく営業職での募集でありお客様と直接携わる仕事内容だったために応募したのですが、面接で失敗してしまいました。前職が上下関係や礼儀に異常なほどに厳しかったため堅苦しい印象を与えてしまい、営業には向いていないのではないかと言われてしまいました。知らず知らずのうちに前職での経験を引きずっていたことに気づき、反省しました。

当然ながら採用には至りませんでしたが、現在の会社での面接では笑顔を忘れないようにし、雑談を交えるくらいの気持ちで行いました。その結果気に入ってもらえたようで、採用していただきました。面接に落ちたときは落ち込みましたが、自分自身について知ることに繋がったので無駄ではなかったと思っています。

転職2.jpg

落ちてしまった会社の面接での話ですが、不採用の旨を告げられたあとに、採用に至らなかった原因や対策をしっかりと教えてくれたことに驚きました。新卒での面接ならばまだしも、中途での面接でもこのように面倒を見てくれるとは思ってもいなかったのでありがたかったです。例えば、もっと笑顔を見せたほうが良いということや履歴書の書き方のコツを教えてくれて、現在の会社の面接で非常に役に立ったことを憶えています。

また、転職してから驚いたことは、会社によってここまで雰囲気が違うのかということです。前職は人間関係や雰囲気が悪く、会話もないような状況だったのですが、転職先の会社は非常に雰囲気が良く、雑談が多い会社でした。

雑談が多いことは決して良いこととは言えないのかもしれませんが、結果としてストレスを発散できることで仕事の効率が上がっているような印象を受けました。てっきり仕事と言えば厳しいものだと思っていたのですが、そのようなイメージが覆りました。仕事の手がとまらない程度の雑談はただの愚痴となり、ストレス発散となります。

転職後に一番変わったことは、体調が非常に良くなったことです。前職ではいつもどこかしら体の不調があったのですが、転職後はのびのびと仕事が出来ていることもありいつの間にか不調がなくなりました。また、営業のノルマ自体はあまり変わらないのですがストレスの捌け口があったために精神的なストレスも軽くなりました。前職では営業が不振でも助けてくれることはなかったのですが、転職先はしっかりと営業のことをサポートしてくれるので不安になることもありません。

後ろ盾があることによって随分働きやすくなりました。そして、趣味に割く時間が増えたことによって生活にハリが出たと思います。前職では休日が極端に少なく遊ぶ時間も無かったので毎日に刺激を感じなかったのですが、現在は趣味の音楽やゲーム、旅行に積極的に取り組めるようになったことでワークライフバランスがとても良くなったと感じています。仕事と趣味のどっちに偏っても楽しくなくなってしまうと思うので、時間配分は大切だと実感しました。

何度か転職を繰り返しましたが、人間関係などに少し疲れたこともあり、フリーでやっていくことに決めて退職しました。前職はガラケーや自動車用のマイコンを利用したシステム開発の会社で、私自身はOS開発を行っていました。フレックスタイムは利用できましたが、だいたい朝9時出社して夜9時か10時まで勤務しており、対人関係は良好でしたが会社が合併して意思疎通がうまくいかない上司とも仕事をしました。

それまでは、時間をかけてもどうにもならない(納期に間に合うわけがない計画)ことに関しては、上司に相談し、取引相手に折衝してもらっていた。上司が代わり、その折衝をしてもらうための会議でも話を聞いていない部長のもとで働き、無理を重ねてしまい、それにより、病気による退職しました。転職先は派遣会社。派遣先は、官庁等との取引をするコンピュータシステムの開発会社でした。

面接は基本的に自分の考えや経験を語るとだいたい合格できましたが、私としては、「この会社には行きたくない」という会社も紹介されたので、以前その会社のことで聞いた悪い評判を話したら、「縁がなかった」ということでその会社とは契約せずに済みました。面接で合格したところは、まず自分ができること、できないこと、やりたくないことをきちんと話しました。

結果的に、面接で話した「やりたくないこと」がきちんと伝わってなかったところに就職してしまい、それで失敗してしまったことがありました。基本的に、話し方は柔らかい感じでいくと、うまくいくことが多いです。自分がやってきたことを棚卸しして、やってできたこと、やってもうまくいかなかったこと、ここが足りなかったといったことをまとめて話すと合格率が上がると思います。

転職1.jpg

何度か面接をするうちに試験と仕事は実際は無関係ということがわかりました。「こういう人材が必要だから、こういう試験をする」だと思っていたら、面接官が気に入るかどうかということが大切だったようです。また、就職試験時に会社から提示された条件がまるっきり嘘ということが二回ありました。

まず仕事面で試験の時に出された「こういう仕事をしてもらいます」ということと著しく異なっていたことが二回ありました。そのうちの同じ会社は残業代を払わないということを、実際に働き始めてから聞かされました。タイムカードを押すので、それで勤務時間の管理をしているものと思ったら、出社してからコンピュータを立ち上げて、さらにもう一回仕事を始めたということをネットワーク越しに入力しており、退社時も同じでした。

会社側は勤務時間を把握していたはずですが、結局残業代を支払ってもらえませんでした。「事前に残業申請をしなさい」と命令が出たのは、入社してから1か月後で、仕事をきちんとしても(能力的な問題で仕事がすすまなかったとは思いますが)残業申請をしていないとサービス残業をさせられました。これでは仕事をきちんとしてもしなくても残業を強制されるので、無駄でした。そんな会社の話は聞いていましたが、実際にそういう会社に勤めてみて、「あ、こういうことか?」と初めてわかりました。

転職をする中で、仕事に関しての考え方ががらりと変わりました。上司が部下を指導するというのは、会社が繁栄するためではなく、エゴを満たすための人がいたのも事実です。お金を稼ぐことだけが目的ならそういう会社にいつまでも残っていたかもしれませんが、そういう概念と相容れない考えを持っており、割り切ることができませんでした。

会社の在り方と私の在り方がある程度合致した会社は倒産してしまうこともありました。最初の会社は倒産こそはしていませんが、業績的にあまりふるわず、他社に吸収合併されましたし、別の会社は完全に倒産してしまいました。私が思っている会社は「社員が自由ではないけれど、ある程度裁量を与える」会社で、利益を上げるためにはどうするかを社員の縦横の考え方を話し合い、そして、どうやっていくかを話し合っていけるかを常にやる会社です。日本の会社がすべてそうではないと思いますが、ただなんとなく雰囲気で動く人が多い会社に転職するのが辛くなったので、収入は減りましたがフリーでやっていくことにしました。